コラム～お隣の国では．．～第2話「受験戦争」

　さて、大学や高校の受験シーズンがやってきました。初詣で合格祈願をされた方も多いのではないでしょうか？

　ところで、お隣韓国にも受験というものはありますが、日本のそれとは比べ物にならない激しさです。韓国の学生は本当によく勉強します。それは、一族の運命がかかっているからで、家族全員の期待を背負うわけですから、もう勉強するしかないのです。

　韓国の高学歴志向、教育熱の高さは有名ですが、そういう社会の風潮のために、とにかく少しでも良い学校に入学し、卒業しなければ就職はもちろんのこと、結婚もできません。それだけ、学歴は社会生活において重要なのです。そんなばかなと思うかもしれませんが、韓国で婚姻届を提出した時、互いの最終学歴記入欄があるのに私は驚きました。

やれやれ、ここまで学歴が追っかけてくるとは。ちなみに日本にはそんなものはありません。良い学校に入るのは、結局自分の将来のためですが、韓国も核家族化が進んでいるとはいえ、一族で協力し合って生きていく習慣が存在します。ですから「誰か」が良い職に付けば、高収入が得られ皆の生活が楽になるのです。

　そういう背景もあり、家族の期待は高くなります。子供には、出来る限りの教育を受けさせ、来るべき競争に備えようとする親心が混乱を巻き起こし、つい余年前までの40年間近く、教育産業、つまり学習塾、家庭教師の類は営業が禁止されていました。貧富の差が教育の差につながるからです。それも解禁され学習塾は当然のことながら、幼児教育の分野まで急成長。1、2歳のうちから英語リトミック教室に通うのは当り前になっています。本当にこの熱の入れようには驚かされます。

　こうして、日夜勉強に励んできた受験生たちですが、運命の別れ道、入試に向け当然色々な準備を怠りません。結局、日本も韓国も一緒で、最後には「神だのみ」に落ち着きます。

　韓国には日本のような神社がありませんから、合格祈願のお守りの変わりに店頭には色々な縁起かつぎの商品が並びます。もっともポピュラーなのが「飴」合格（運）がくっつきますようにという意味合いからですが、これをよく受験生にお守りとしてプレゼントしているようです。

　さて、受験生が身近にいるならば、飴をプレゼントしてみてはどうでしょう。

合格をくっつけるというシャレを受け入れる心のゆとりこそが、合格への近道だと思います。でも、いくつになっても試験というものは、あまり心地よいものではありません。緊張はつきものですよね。

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